北韓当局が、南北の友好を象徴する歌として知られる「パンガプスムニダ(お会いできてうれしいです)」の公演を禁止したと、日本の複数のメディアが伝えました。
日本の複数のメディアが関係筋の話として29日、報じたところによりますと、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が韓国を「敵対国」と位置づけたことを受け、この歌は公演の演目から外されるようになったということです。
また、北韓の女性従業員が働く中国の北韓レストランでは、この曲が披露されなくなったということです。
「パンガプスムニダ」は、同胞と再会する喜びを歌った曲で、1991年に発表されました。
韓国や日本に住む在外同胞との交流イベントなどでも頻繁に歌われてきました。
北韓は去年、韓国を敵対国と規定する内容を含む憲法改正を行っていて、金委員長はおととし12月、南北関係を「敵対的なふたつの国」と規定しています。
また、去年1月の施政演説では、「韓国を徹底した第1の敵対国、変わらず主敵と明確に認識するよう、教育・啓発事業を強化することを憲法条文に明記すべきだ」と述べています。
さらに、北韓の国歌の「愛国歌」の歌詞から「三千里の美しいわが祖国」という表現を「この世界の美しいわが祖国」に変更するなど、全長がおよそ1000キロに及ぶ韓半島全体を指す表現として用いられる「三千里」という言葉を削除する動きが見られています。