韓国の中学生の学習到達度は、OECD=経済協力開発機構加盟国のうちトップクラスですが、友人関係や自主性などでは最下位水準にとどまっていることが分かりました。
韓国教育開発院が5日、OECD加盟国37か国の15歳の青少年における人文教育の水準を分析した結果、韓国の生徒は学習到達度において、数学と理科でいずれも2位、国語で3位と、非常に優れた成果を示しました。
一方で、人間関係に関する項目では、保護者との関係は12位、友人関係にいたっては36位と、ほぼ最下位となっていました。
このほか、アイデンティティーに関する項目では、「独立性」は2位と上位でしたが、「主体性」は20位、「自主性」は33位、「余暇生活」は36位、「進路探索」は29位と、ほとんどの項目で下位にとどまりました。
韓国教育開発院は報告書で「韓国の生徒らは予想通り学力面では優秀だったが、人間関係の形成や主体的な自己実現においては非常に低い水準だった」としたうえで、「中学生が属する青少年期は、学校の教育課程と自然に連携させながら、自分自身や社会、世界について批判的に省察し、自律性や尊厳性を身につける機会を幅広く提供すべきだ」と指摘しています。
そのうえで、こうした課題の改善策として、「人文教養教育の強化」が必要だと提言しました。