いわゆる「政治ブローカー」とされるミョン・テギュン容疑者との関与が疑われている尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴニ)夫人に対し、検察が容疑者として正式に出頭するよう要請しました。
ソウル中央地検の捜査チームは12日、金夫人に対し、公職選挙法および政治資金法違反の容疑で今週中に検察庁に出頭し、取り調べを受けるよう通知しました。
検察は、これまで数回にわたり非公式に出頭を要請してきましたが、日程の調整がつかず、今回正式な手続きに踏み切った形です。
金夫人は、2022年の大統領選挙の際にミョン容疑者に世論調査を無償で依頼し、その見返りとして特定人物の公認に関わった疑いが持たれています。
また、同じ年の地方選挙や与党「国民の力」の公認の過程にも関与したとの疑惑も浮上しています。
検察は、すでに有力な証言と物的証拠を確保しているとしています。
金夫人が出頭要請に応じれば、検察庁で初めて取り調べを受けることになります。
検察は去年7月、高級ブランドバッグを受け取ったとされる疑惑や、韓国の自動車輸入販売会社「ドイツ・モーターズ」の株価操作事件に関与した疑いで金夫人を対面で調査しましたが、当時は大統領警護処が管理する別館で異例の「出張調査」が行われ、特別待遇ではないかとの批判がありました。
金夫人が今後も出頭を拒否する場合、検察は拘束令状の請求を含む強制捜査に踏み切る可能性もあるとしています。
一方、内乱首謀および職権乱用の罪に問われている尹前大統領は12日、3回目の公判に出廷しました。
この日の裁判では、非常戒厳が宣言された当時の軍の関係者2人に対する証人尋問が予定されており、尹前大統領はこれまでと同様に、自ら反対尋問に立つ可能性もあるとみられています。