北韓が、ロシアと近い韓半島東の海、東海(トンへ)に面する咸鏡北道(ハムギョンブクトド)清津(チョンジン)港で、新たな駆逐艦を建造している様子が確認されました。先月、西側の南浦(ナムポ)港で進水した新型駆逐艦と同型の艦船とみられています。
アメリカの北韓専門ウェブサイト「38ノース」が現地時間の12日、報じたところによりますと、東海の主な港である北韓の清津港で、軍艦を建造するための造船所の拡張工事が行われているということです。
「38ノース」は、ことし3月に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が艦船建造事業を視察したのも、この清津にある造船所だったと明らかにしました。
「38ノース」が公開した清津港の造船所の衛星写真には、建造中の艦船が写っていますが、その全長はおよそ144メートルと、先月南浦(ナムポ)港で進水した新型駆逐艦「崔賢(チェ・ヒョン)」と外観が似ています。
こうしたことから、「38ノース」は、先月、進水した「崔賢(チェ・ヒョン)」と同型の艦船を建造しているとの見方を示しました。
これに先立ち、北韓は先月25日、韓半島西の海、西海(ソへ)に面する平安南道(ピョンアンナムド)南浦港で、5000トン級の新型駆逐艦「崔賢」の進水式を行っています。
一連の動きについて、北韓が金委員長の海軍力強化の方針に沿って、ロシアの技術支援を受けながら、東海と西海の両海域に垂直発射システム(VLS)などの核攻撃能力を備えた、いわゆる「北韓版イージス艦」を複数配備しようとしているという見方が出ています。