去年、釜山に寄港したアメリカ海軍の空母などをドローンで違法に撮影した中国人留学生3人のうち、2人が逮捕されました。このうち1人には、外国人としては初めて「一般利敵罪」の容疑が適用されました。
アメリカの空母「セオドア・ルーズベルト」が去年6月、韓日米3か国の合同訓練のため釜山に寄港した際に、近くの山からドローンを飛ばして空母を違法に撮影した中国人留学生3人が巡回中だった軍関係者に捕らえられ、警察に身柄が引き渡されました。
当時、ドローンに撮影されていた映像はおよそ5分とされていましたが、警察の捜査の結果、3人は2023年3月から9回にわたり、韓国の軍事基地を撮影していたことが明らかになりました。
警察によりますと、写真172枚と動画22本が確認されたということで、一部は中国のSNSに掲載され拡散しました。
検察や国家情報院などとの共同捜査を行っていた警察は、3人に対して軍事基地法違反の容疑を適用し、そのうち1人には「一般利敵罪」の容疑を適用しました。
刑法第99条の「一般利敵罪」は、「韓国の軍事上の利益を害した者、または敵国に軍事上の利益を提供した者」に適用されるもので、無期または3年以上の懲役に処されます。
外国人が「一般利敵罪」で逮捕されるのは今回が初めてです。
中国人留学生の身柄を確保した警察は今後、写真や映像がどこに流出したかなど、捜査を拡大する方針です。