韓国の動物園で孵化したオオハクチョウが、ロシアの自然繁殖地への移動に初めて成功しました。
2023年6月に誕生したオオハクチョウ「ヨルム」は、釜山の乙淑島(ウルスクド)にある水鳥の代替生息地で野生適応訓練を受けた後、ことし5月、ロシアの沿海地方までおよそ2300kmに及ぶ長旅を終えました。
ヨルムは、負傷して保護された野生のオオハクチョウのつがいの間に生まれました。このつがいは1996年に銃の傷を負って助けられて以降、韓国の動物園「エバーランド」で保護され、およそ20年ぶりにひなを孵化させました。
ヨルムは2023年10月に乙淑島の代替生息地へ移送され、野生適応訓練を受けた後、野生のオオハクチョウと共に採餌や飛行、社会的行動などを自然に学びました。
ことし4月30日に釜山を出発したヨルムは、北韓の咸鏡道(ハムギョンド)を経由し、5月28日にロシアの沿海地方に到着しました。この経路は、オオハクチョウの背中に装着されたGPSによって確認されました。
韓国の動物園で孵化したオオハクチョウが本来の繁殖地に戻ったのは今回が初めてで、絶滅危惧種の保全と生態系の復元分野において重要な成果として評価されています。