李在明(イ・ジェミョン)大統領が、大統領の親族や政府高官による不正行為などを監視する「特別監察官」を任命するよう指示しました。
特別監察官は朴槿恵(パク・クネ)政権時代に初めて任命され、その後、文在寅(ムン・ジェイン)政権と尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権では空席となっていました。しかし、特別監察官の任命を選挙公約に掲げた李大統領によって9年ぶりに任命されることになりました。
李大統領は、3日に行われた記者会見で、「権力はけん制すべきだ。権力を持っている本人のためにも、けん制された方がよい」と述べ、側近らに任命の手続きを進めるよう指示したことを明らかにしました。また、「今後発生し得る不正行為などを事前に防止するためにも、特別監察官の任命が必要だ」と強調しました。
李大統領は、大統領選挙の公約として、特別監察官の任命と権限の拡大などにより、大統領の家族と親族による不正への監視を強化することを掲げていました。
特別監察官は、大統領の配偶者や4親等内の親族、大統領室の首席秘書官以上の公務員を対象に不正を監察する、独立した監察機関です。
大統領所属でありながら独立した地位を持つ特別監察官は、15年以上判事や検事、弁護士として務めた経歴を持つ法曹界関係者の中から国会が3人の候補を推薦し、大統領がそのうち1人を指名します。指名された候補者は、国会での人事聴聞会に出席することが義務づけられます。
これまで、文在寅政権と尹錫悦政権では、与野党が合意に至らず、任命を先送りしてきました。
しかし、李大統領が任命への強い意志を示しているだけに、近く国会に候補の推薦を正式に要請し、任命の手続きが行われるものとみられます。