尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴニ)氏の一族に関連する高速道路のルート変更をめぐる疑惑について、特別検察チームが韓国国土交通部や関連企業に対して家宅捜索を行いました。
特別検察チームは14日午前、ソウルと京畿道(キョンギド)楊平(ヤンピョン)を結ぶ高速道路の建設事業をめぐり、国土交通部と、ルート変更の妥当性を評価していたコンサルティング企業2社に対して、家宅捜索を行いました。
この高速道路は当初、楊平郡の楊西面(ヤンソミョン)を終点とする計画でしたが、尹前大統領が就任した直後の2023年5月に江上面(カンサンミョン)に急きょ、変更されました。金建希氏の一族が江上面に土地を所有していたことから、「一族が所有する土地の資産価値を高めるために、終点が意図的に変更されたのではないか」という疑いが持たれています。
こうした疑惑に対し、当時の国土交通部長官、元喜龍(ウォン・ヒリョン)氏は関与を否定し、事業そのものを白紙に戻しました。
しかし、特別検察チームは今回、関係機関への本格的な捜査に踏み切った形です。
なお、今回の捜索対象に、元長官本人や、ルート変更に関与したとされる野党「国民の力」所属の金善教(キム・ソンギョ)国会議員は含まれていないということです。
特別検察チームは今後、大統領室の関係者や外部の関係者が計画の変更に関与していたかどうか、また、金氏一族の土地所有がルート決定にどのような影響を与えたのかについて、捜査を進める方針です。
金建希氏に関しては、株価操作や総選挙への介入など16件の事件について、今月2日から特別検察の捜査が正式に始まっており、すでに出国禁止の措置も取られています。