李在明(イ・ジェミョン)大統領は、EU=ヨーロッパ連合、イギリス、フランス、インドにそれぞれ特使団を派遣する方針を決定し、外交関係の再構築と拡大に向けた動きを本格化させています。
大統領室によりますと、特使団は今月14日にEU、15日にフランス、16日にはイギリスとインドに派遣される予定です。
これまでの歴代政権では、アメリカ、日本、中国、ロシアのいわゆる「周辺4大国」に対し、政権発足直後に特使を送るのが慣例となっていましたが、今回は順番を変更し、より広い地域との外交関係の構築を重視する姿勢がうかがえます。
外交関係者は、「アメリカや日本などの主要国とは首脳会談の日程調整が進められており、緊密な意思疎通がなされている。特使の派遣順は相手国との調整の結果に基づくものだ」と説明しています。
李大統領は今後、アメリカや日本、中国にも特使を派遣する予定で、アメリカ向けの特使団には、保守系最大野党「国民の力」で臨時執行部トップの非常対策委員長を務めた金鍾仁(キム・ジョンイン)氏を団長とする案が検討されています。李大統領は、「与野党を問わず、有能な人材は積極的に登用する」との実用主義を掲げており、今回の特使派遣にもその方針が反映されているとみられています。
ただし、金鍾仁氏については、かつてトランプ大統領に対して厳しく批判する発言をしたことから、与党内で慎重な意見もあり、人選は現在も調整が続けられているということです。