APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が、韓国南東部の慶州(キョンジュ)で開幕するまで、23日で残り100日となりました。
APECは、太平洋を取り囲む21か国・地域による経済協力の枠組みで、ことしの首脳会議は、10月31日から11月1日までの2日間、慶州市で開催され、韓国が議長国を務めます。
今回の会議は、李在明(イ・ジェミョン)政権の発足後、韓国で初めて開かれる多国間の首脳会議で、これまでの外交の空白を埋め、国益中心の外交を展開するきっかけになると期待されています。
李大統領は今月16日、アメリカ、日本、中国、ロシア、カナダ、ベトナムなどAPEC加盟国の首脳に招待状を送りました。
なかでも、アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席が同時に参加するかに関心が集まっています。両首脳が会談することになれば、米中が対立するなかで、韓国が外交的な仲介役として存在感を示すことができるかが焦点となります。
今回のAPEC首脳会議では、「つながり、革新、繁栄」というテーマのもと、AI=人工知能分野での協力や高齢社会への対応などが主な議題として取り上げられることになります。
韓国でAPECが開催されるのは、2005年の釜山会議以降20年ぶりです。
開催地の慶州は、かつて新羅(シルラ)王朝の都として栄えた千年の古都で、ユネスコの世界文化遺産にも登録された仏国寺(プルグッサ)や石窟庵(ソックラム)などの歴史遺跡があり、韓国の伝統文化が色濃く残っています。
韓国政府は、会議の期間中、各国の首脳だけでなく、経済界の代表やメディア関係者など、およそ2万人が慶州を訪れると見込んでおり、現在、受け入れ準備を本格化させています。
会場周辺の普門(ポムン)観光団地にある12のホテルでは、首脳級の来賓を迎えるための特別客室35室のリノベーション工事が進められていて、すでに70%が完了しました。
また、国内外から訪れるおよそ4000人の報道関係者が利用する「国際メディアセンター」も建設中で、工事の進捗率は60%に達しています。
政府は、すべての準備工事を9月末までに完了させ、その後、1か月間のリハーサルを経て、会議が円滑に開催されるよう最終調整を進めていく方針です。