在日韓国人らでつくる民団=在日本大韓民国民団の金利中(キム・イジュン)団長は、今回の参議院選挙で自国民優先主義の「日本人ファースト」を掲げる参政党が躍進したことについて、「想像もしなかった」と述べました。
朝日新聞や日本経済新聞によりますと、金団長は22日、東京都内で行われた記者会見に出席し、「日本人が日本人を守ろうとするのは当然のことだが、外国人との共存共栄も望んでいると考えていた」と話しました。
また、「投票した方の全員がそう思っているのではなく、『新しいことをやってくれるのではないか』という期待感の表れではないか」という見解も示しました。
金団長は、「参政党が、外国人として生まれたあとで日本国籍を取得した『帰化1世』に被選挙権を与えるべきではないという主張をしていることにも驚き、困惑している」と語りました。
参政党は、新型コロナウイルスが世界的に広がっていた時期に動画投稿サイト「ユーチューブ」を通じてワクチン接種や世界的エリート集団に関する陰謀論を拡散しながら台頭してきた右派ポピュリズム政党です。
今回の参院選で参政党は、14議席を獲得し、非改選の議席と合わせて、単独で法案を提出できる11議席を上回りました。
一方、金団長は、戦後の在日韓国人の歩みについて、劣悪な環境におかれたが、2016のヘイトスピーチ解消法の成立に取り組むなど、努力を重ねて差別的な制度を改善してきたと強調しました。