韓国の情報機関、国家情報院が北韓向けの放送を今月に入って中断したことを受け、北韓が放送受信を妨害するための妨害電波の送信を中断したことがわかりました。
韓国政府の高官は、「22日午後10時から北韓が送信していた妨害電波のうち、10の周波数が中断され、今は2つから3つの周波数のみが残っている」と明らかにしました。
この関係者は、「北韓のこうした対応は予想外だった」としたうえで、「国家情報院による北韓向けの放送の中断に対する相応措置とみられる」と説明しました。
去年1月に北韓は、「統一のこだま放送」の6つの周波数のほか、「平壌放送」の7つの周波数、「平壌FM」の1つの周波数など、韓国向け放送の送信を中断しました。
これは、北韓が2023年末、南北関係を「敵対的な2つの国」と位置づけ、「統一」という概念を排除し、韓国担当部署を整理したことに伴う措置とみられています。
一方、国家情報院は1973年ごろから北韓向けのラジオ放送とテレビ放送を行ってきましたが、新政権発足からおよそ1か月が経過した今月初めから順次中断しています。
これについて国家情報院は、北韓が去年1月に韓国向け放送をすべて中断したことへの韓国政府の対応だと説明しています。
政府高官は「対南・対北放送は体制対決の象徴だ」としたうえで、「北韓が対南放送を再開すれば対応するが、韓国側から先に行うことはない」と述べました。