韓国人の平均寿命が83.5歳となり、OECD=経済協力開発機構加盟38か国のなかで5番目に長いことが明らかになりました。一方で、国民1人当たりの外来受診回数はもっとも多く、実際の健康状態は平均寿命ほど良好ではない可能性も指摘されています。
韓国保健福祉部は、OECDの2024年版「保健統計」を分析した結果を30日に発表しました。それによりますと、韓国の平均寿命は83.5歳で、OECD加盟国の平均81.1歳より2.4歳長く、スイス(84.3歳)、日本(84.1歳)、スペイン、イスラエルに次ぐ5位となりました。
これは、医療サービスの発展や生活環境の改善によるものとみられています。
しかし、医療の利用状況をみますと、韓国は1人当たりの年間の外来受診回数が18回と、OECD加盟国のなかでもっとも多くなっています。
また、人口1000人あたりの病床数も12.6床と、OECD平均の4.2床のおよそ3倍に上っています。
外来受診の頻度や病床数の多さは、韓国の医療制度が利用しやすい一方で、予防や健康管理よりも治療に偏っていて、実際の国民の健康状態が平均寿命ほど良くない可能性を示唆しています。
専門家らは、韓国では急速に高齢化が進んでいることから、単に寿命を延ばすことだけでなく、「健康に長生きする」ための対策が急がれると指摘しています。