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政治

韓米関税交渉 妥結の鍵は「造船協力プロジェクト」

Write: 2025-07-31 14:39:28Update: 2025-07-31 22:32:25

韓米関税交渉 妥結の鍵は「造船協力プロジェクト」

Photo : YONHAP News

アメリカが来月から発動する相互関税をめぐる韓米の交渉は、最終局面で急展開を見せ、当初の予定より1日早く、ワシントン現地時間の30日に妥結しました。韓国政府の通商代表団は、その背景について、韓国側がアメリカに提案した「造船分野での協力プロジェクト」が大きな役割を果たしたと説明しています。
 
韓国の通商代表団を率いた具潤哲(ク・ユンチョル)副総理兼企画財政部長官は、ワシントンの在米韓国大使館で現地時間の30日に行われた記者会見で、「今回の合意では、長年低迷しているアメリカの造船産業を対象とした協力プロジェクトが功を奏した」と強調しました。

このプロジェクトは、「MASGA=アメリカの造船を再び偉大に(Make American Shipbuilding Great Again)」と名づけられている通り、韓国の民間造船企業がアメリカ国内で造船所を建設し、人材育成やサプライチェーンの再構築、船舶の建造までを包括的に支援することで、アメリカの造船産業の復興を目指すものです。投資額は、およそ1500億ドル、日本円にして約24兆円規模にのぼります。
  
韓国の造船業は、世界最高水準の技術力を持つとされています。トランプ大統領も韓国の技術力を高く評価していて、具副総理によりますと、「両国の協力のもと、アメリカで船舶の建造が早期に実現できるよう取り組んでほしい」という要請があったということです。
 
一方、具副総理は「アメリカ側から果物や野菜類の検疫緩和などの要求もあったが、韓国の農業に及ぼす影響を説明し、追加の譲歩は避けることになった」と説明しました。コメや牛肉などいわゆる「敏感品目」の開放は、今回の交渉だけでなく、韓米FTA=自由貿易協定交渉のたびに焦点となってきましたが、当分は見送られる形になりました。
 
今回の交渉では、アメリカが韓国に課す相互関税率が25%から15%へと引き下げられましたが、韓国がアメリカに対して3500億ドルを投資する条件で合意に至っています。
 
この投資額は、「造船分野の協力プロジェクト」の1500億ドルと、半導体や原子力発電、二次電池、バイオ産業などに投資する「対米投資ファンド」の2000億ドルを合わせたものです。具副総理は、「韓国の企業が主導する造船プロジェクトを除けば、韓国の実質的な対米投資額は、日本の投資額の36%に相当する」としています。

通商代表団は、「厳しい状況のなかでも、日本など競争国と同じ水準にまで関税を引き下げることで、韓国企業が国際市場で対等に競争できる環境が整った」と成果を強調しています。
 

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