韓国でコメの価格が上昇を続けるなか、政府は、秋の収穫前に市場への供給を増やし、価格の安定を図るため、初めて備蓄米を民間に貸し出すことを決めました。
韓国統計庁によりますと、今月5日時点の産地価格は、20キロあたり5万2900ウォン、80キロ換算では21万1600ウォンで、高値が続いています。21万ウォンを超えるのはおととし10月以来です。
韓国では、10月に収穫したコメを1年間消費しますが、夏になると前年産の在庫がほぼなくなり、新米が出回るまでの間、供給が不足します。ことしは作柄の減少もあり、この時期の値上がりが例年より大きくなっています。
このため韓国農林畜産食品部は11日、今月末までに産地の流通業者などに2024年産の備蓄米3万トンを貸し出し、秋に収穫する新米で返却させる方針を明らかにしました。
対象は、政府の買い入れ資金の支援を受ける産地流通業者や、年間3000トン以上を買い入れる精米業者です。申し込みは今月14日まで、農協経済持株会社のウェブサイトで受け付けます。
割り当てられたコメは、今月29日までに政府の保管倉庫で引き取り、転売せず9月末までに精米・販売し、来年3月までに返却しなければなりません。