1945年の終戦直後に韓半島出身の徴用工被害者などを乗せて青森県から釜山に向かう途中に京都の舞鶴港で沈没した「浮島丸事件」について、韓国政府は日本政府から受け取った被害者名簿の精密分析を年内に終える計画です。
韓国行政安全部は、この分析を通してこれまで不明確だった浮島丸の乗船者の規模を客観的に把握できると説明しました。
行政安全部は13日、浮島丸事件の乗船者名簿の分析状況を遺族に説明する経過報告会をソウル市内で開催しました。
日本政府から提供された複数の名簿に記載され、それらを合計した1万8300人の中には、同一人物と推定される重複者が含まれているため、行政安全部はこれを取り除くとともに、誤訳を修正する精密分析作業を6月から進めています。
この作業は、年内に完了する見通しです。
行政安全部は、分析結果で確認された徴用工被害者に対する慰労金の支給など支援策を検討するとともに、遺族から乗船の有無や生死について確認を求められた場合は関連情報を提供する方針です。
「浮島丸」は、旧日本海軍の輸送船で、終戦直後の1945年8月22日、 韓半島出身の徴用工被害者などを乗せて青森県から釜山に向けて出港しましたが、2日後の24日、京都の舞鶴湾で爆発し、沈没しました。
日本政府は、海底に敷設された機雷が爆発し、およそ3700人のうち524人が死亡したと発表しましたが、遺族側は日本がわざと船を爆破したと主張したほか、死者は3000人以上だとみています。
日本政府は、乗船者名簿は存在しないと主張していましたが、去年5月、日本の報道関係者の情報公開請求によって名簿の存在が明らかになり、日本政府は3回にわたって名簿を韓国政府に引き渡しました。