北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、韓半島の有事を想定した大規模な韓米合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド」が18日から始まったことに強く反発し、急速な核戦力の強化を進めていく姿勢を明らかにしました。
北韓の国営メディア、朝鮮中央通信が19日伝えたところによりますと、金委員長は平安南道(ピョンアンナムド)の南浦(ナンポ)造船所を訪れ、新たに建造された5000トン級の駆逐艦「崔賢(チェヒョン)」の兵器システムの運用試験を視察しました。
金委員長は、今回の韓米合同軍事演習について、「最も敵対的で、対決的であり続けるという意思を公然と示す明確な態度の表明だ」と指摘したうえで、「このような安全保障環境は、核武装を急速に拡大することを必要としている」と述べました。
また、今後、海軍力が国の防衛力強化における中心軸になると強調し、「防衛力の強化に向けた重大な措置を引き続き取っていく」と警告しました。
朝鮮中央通信は、金委員長が、「海軍力の強化と核武装計画が段階的に進んでいることに満足を示した」と伝えました。
ことし4月に初めて公開された新型駆逐艦「崔賢」は、360度の監視が可能なレーダーや防空システムのほか、ミサイルの垂直発射装置が搭載されていることから、「北韓版のイージス艦」とされています。
北韓は、来年10月までにこれと同じクラスの艦艇を新たに建造する計画を発表しています。