韓国政府は、アメリカとの間で結ばれた、使用済み核燃料の再処理や高濃縮ウランの生産などを禁じている原子力協定の改正を推進していて、今月25日に開かれる韓米首脳会談でも議題に含まれる見通しです。
韓国側が改正を求める最大の理由は、原子力発電所の稼働に伴い発生する使用済み核燃料の再処理とウラン濃縮の問題です。
2015年に改正された韓米原子力協定では、韓国のウラン濃縮については20%未満と限定され、濃縮を行うにはアメリカの同意を得る必要があります。
また、使用済み核燃料の再処理は禁止されていて、核兵器への転用が不可能な再処理技術の研究のみが認められています。
しかし、現在のままでは、使用済み核燃料の貯蔵施設が2030年以降に満杯となる見通しであることから、改正の必要性が繰り返し提起されてきました。
ただ、現行の韓米原子力協定の期限は2035年までとなっているため、期限が10年も残されている協定について、アメリカが改正に前向きな姿勢を示すかどうかは不透明です。
高濃縮ウランやプルトニウムは核兵器の材料となるため、核の潜在能力を高めるとして否定的な立場をとる可能性が高いのではないかという見方もでています。