北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、来月3日に中国・北京で開かれる抗日戦争勝利80周年記念式典に出席すると発表したことをめぐっては、中国との関係修復に加え、韓日米3か国の連携をけん制する狙いがあるとみられています。
金委員長はこれまで、アメリカや中国、ロシアと個別の首脳会談を行っていますが、各国の首脳が集まる場に参加するのは異例で、「唯一絶対」の指導者が他国の首脳と同列に見られるのを避けてきたとされます。
そのため、今回、中国訪問を発表したことをめぐっては、これまで金委員長が、度々先代とは異なる姿を演出してきたうえ、外交舞台で国益に資する成果を出すことで、国内外に影響力をアピールする狙いがあるとの分析も出ています。
また、北韓は、ロシアとの軍事協力など関係を急速に深める一方、中国との関係はぎくしゃくしているとの指摘もありましたが、ウクライナ戦争が収束することで、ロシアとの結束が弱まることに備え、中国との関係修復を図るものとみられます。
さらに、北韓は、今月18日から始まった、韓半島の有事を想定した大規模な韓米合同軍事演習や韓日首脳会談を非難していますが、韓日米3か国の連携強化をけん制することを視野に入れた対応とも受け止められます。
韓国とアメリカが米朝対話を求めているなか、中国との連携を強化することで、米朝対話で有利な立場を確保する狙いがあるとの指摘も出ています。
一方、姜勲植(カン・フンシク)大統領秘書室長は28日、記者団に対し、金委員長の中国訪問の計画について、「事前に把握していた」としたうえで、「今回の韓米首脳会談もこうした流れの影響を受けた」と述べ、韓米首脳会談でも、北韓と中国の関係強化が議題に上がったことを明らかにしました。