ショートメッセージや電話などを利用し、金融情報をだまし取る「フィッシング詐欺」による被害額が、ことし8000億ウォンに迫り、過去最大となったことがわかりました。
韓国警察庁によりますと、ことし1月から7月まで発生した「フィッシング詐欺」の被害額は、7992億ウォンにのぼり、前の年の同じ時期に比べて95%増加しました。被害件数も1万561件となり、前の年の同じ時期に比べて14%増加しています。
こうした状況を踏まえ、警察庁の国家捜査本部は、9月1日から来年1月末までの5か月間、フィッシング詐欺の特別取り締まりを開始すると発表しました。
今回の措置は、政府が今月28日に発表した「ボイスフィッシング根絶総合対策」に基づいて行われる初の措置となります。
警察は、金融委員会や科学技術情報通信部、放送通信委員会などと合同で137人規模の「ボイスフィッシング統合対応チーム」を発足させ、24時間体制で対応に当たります。
また、摘発された犯行手口を関係当局と連携して直ちに遮断し、犯罪収益の追跡や没収を進める方針です。
このところ、フィッシング詐欺の手口は、従来の電話詐欺にとどまらず、AI=人工知能を使ったフェイク音声によるAI音声なりすまし詐欺やメッセージアプリを装う手口、人気のアプリや有名サービスなどのなりすまし不正アプリなど、日増しに巧妙化し、個人レベルでの予防策では対応しきれない場合が増えています。
そこで、政府は、個人が被害の責任を全て負うことには無理があると判断し、金融機関や通信業界がその責任を分担するよう法制化を進める方針です。