韓国国防部は1日、軍が制作してきた北韓向けラジオ放送「自由の声」を、およそ15年ぶりに停止しました。南北の軍事的緊張を和らげるための措置の一環としています。
放送はこの日未明から止まったとみられます。
「自由の声」は2004年に南北の合意で一度中断しましたが、2010年3月、韓国海軍の哨戒艦「天安(チョナン)」が北韓によって撃沈された事件を受け、同じ年の5月から再開されました。
この放送は、軍の心理戦部隊が制作し、北韓政権に関する情報や自由民主主義の優位性、韓国の発展や文化などを伝える心理戦の一環でした。
今回の停止は、李在明(イ・ジェミョン)政権が進める南北の緊張緩和と軍事的信頼の構築に向けた措置の一つです。韓国軍はことし6月に軍事境界線付近に設置していた拡声器による宣伝放送を停止し、8月には拡声器そのものも撤去しました。
また、韓国の情報機関・国家情報院も、これまで直接運営してきた北韓向けのラジオ放送やテレビ放送を先月から順次停止しています。