韓国のパンの価格が日本の2倍近くに上り、アジアではもっとも高い水準であることがわかりました。
世界最大の生活費データベース「Numbeo」によりますと、ことし9月の時点で、韓国の500グラムの食パンの平均価格はおよそ4150ウォンで、調査対象となった124か国で11位、アジアでは1位だったということです。上位10か国はいずれもヨーロッパの国々でした。なかでも、日本の食パンの平均価格は、韓国の半分ほどのおよそ2100ウォンで、54位でした。
日本のパン屋「パン・メゾン」から広まって韓国でも人気を集める塩パンは、日本では120円、韓国ウォンに換算すると、およそ1135ウォンで販売されていますが、韓国では2500ウォンから4000ウォン台後半と、最大で日本の価格の4倍に上っています。
それでも、韓国のパンの価格は上昇を続けています。統計庁の国家統計ポータルによりますと、ことし8月のパンの物価指数は、去年の同じ月より6.5%上昇して138.61でした。これは、同じ期間の消費者物価全体の上昇率1.7%を大きく上回っています。
専門家らは、人件費やマーケティング費用の増加、競争の激しい市場構造が、価格上昇の主な要因だと分析しています。消費者政策を担当する公正取引委員会も、「韓国の製パン業界は、製造から販売までの流通過程が複雑かつ非効率で、小売中心の競争は日増しに激しくなっている。流通構造の改善が必要だ」と指摘しています。