李在明(イ・ジェミョン)政権が政権交代後初めてとなる軍指導部の人事を行い、1日、陸・海・空を合わせた4つ星将軍7人を全員交代すると発表しました。これにより、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権が「非常戒厳」を宣言した当時に在任していた4つ星将軍全員が交代することになりました。
これまでは、政権が交代すると、4つ星将軍のうち1人を制服組トップの合同参謀本部議長に任命し、残りは退役させるのが慣例でしたが、今回は全員を入れ替える異例の措置となりました。なかでも注目されるのは、制服組トップの合同参謀本部議長に空軍出身の中将、陳永承(チン・ヨンスン)戦略司令官を指名したことです。伝統的に合同参謀本部議長には陸軍出身者が任命されてきましたが、今回は、非常戒厳を主導した陸軍出身者が排除された形になりました。
ただ、今回発表された7人のうち、陸軍士官学校出身はあわせて3人、空軍士官学校出身は2人、海軍士官学校出身は1人で、陸士出身を完全に除外したわけではありません。
軍内部では、「非常戒厳」が宣言された当時の首脳部を一挙に交代させることで、「非常戒厳の残さい」を清算する一方で、陸・海・空軍出身を満遍なく登用することで、組織の安定を図る狙いがあるという見方が出ています。
李政権はすでに、64年ぶりに軍出身者ではない安圭伯(アン・ギュベク)国会議員を国防部長官に任命し、文民統制を徹底する姿勢を鮮明に打ち出しています。李大統領は2日、安国防部長官に対し、主権者である国民に忠誠を尽くすため、軍隊の教育課程を整備するよう指示しています。