北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は3日、抗日戦争勝利80年を記念して北京の天安門広場で行われた式典に出席し、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領とともに軍事パレードを観覧しました。朝中ロ3か国の首脳が並んで天安門の楼閣に立つのは66年ぶりで、冷戦終結後では初めてのことです。
習近平国家主席、プーチン大統領、そして金委員長の3人は、韓国時間3日午前9時40分ごろ、抗日戦争勝利80年を記念する式典に招かれた各国首脳級の先頭を歩いて、天安門楼閣に姿を現しました。式典を主催する習主席を中央に、右側にプーチン大統領、左側に金委員長が並んで立ちました。
これは「韓日米 対 朝中ロ」という新冷戦構図を象徴的に示すものとされています。中国は今回の軍事パレードで最新鋭の兵器を公開し、「反西側」連合の中心国であることをアピールしました。
抗日戦争勝利記念日は、中国が、日本との戦争での勝利と第2次世界大戦の終結を記念して制定した日で、記念式典の開催は、2019年以来6年ぶりとなりました。
韓国からは、禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長が出席しており、金委員長との接触の可能性にも注目が集まっています。
これに先立ち、金委員長は、この式典への出席のため、2日午後に北京に到着しました。なかでも、娘の金主愛(キム・ジュエ)氏が同行して注目を集めましたが、海外訪問でジュエ氏が姿を見せたのはこれが初めてです。
専門家らは、金委員長が国際社会に対し、娘のジュエ氏を次期指導者として印象づけようとしているのではないかと分析しています。