北韓メディアは、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の娘、金主愛(キム・ジュエ)氏が初めて中国・北京を公式訪問したと大々的に報じました。
金主愛氏は2022年に初めて公式の場に登場して以来、去年からは北韓国内で事実上「ファーストレディー」の役割を担っており、今回初めて国際舞台に姿を現しました。
北韓の労働党機関紙「労働新聞」は3日、金主愛氏が中国の抗日戦争勝利80周年の記念行事に出席したと報じ、金委員長と並んで国賓待遇を受ける姿を公開しました。
続けて、「わが国は革命偉業の継承を完全に実現した国だ」と主張し、金主愛氏を次世代の後継者として印象づけようとする意図をにじませました。
労働新聞はまた、北韓が「革命の代を受け継ぐことを国の重大事と位置付けてきた」として、世襲体制を正当化しました。
これは、金日成(キム・イルソン)から金正日(キム・ジョンイル)、そして金正恩へと続く3代の世襲を正当化し、次世代への権力継承の安定性を予告する動きとみられます。
特に、金委員長が自らの子を外国の首脳に公開するのは、後継者の認定に向けた前例に沿った動きだという点で注目されています。
専門家らは、金主愛氏が後継者に確定したかどうかはまだ断定できないとしながらも、北韓メディアが今後、権力継承に向けた作業を本格化させる可能性を提起しています。