中国の抗日戦争勝利80周年記念行事の軍事パレードでは、北韓、中国、ロシアが共に登場し、欧米主導の国際秩序に対抗する姿勢を誇示しましたが、一方で北韓は、こうした3か国の連携を背景にアメリカとの交渉を有利に進める狙いがあるものと見られます。
北韓は、アメリカに核保有国として認められるため、中国とロシアという後ろ盾を強化しています。
ロシアはおよそ5400発、中国は600発の核弾頭を公式に保有しており、北韓もおよそ50発を保有していると推定されています。
アメリカのトランプ大統領は最近の韓米首脳会談で、北韓の非核化とともに、中国とロシアについても言及しています。
しかし、北韓、中国、ロシアの連携が強まれば、交渉の焦点が「完全な非核化」から「核軍縮」へ移る可能性があると分析されています。この場合、北韓が事実上、核保有国として認められる状況が整うことになります。
北韓はこうした3か国の連携をもとに交渉力を高め、アメリカとの対話に臨むとみられています。
また、北韓、中国、ロシアの結束が安全保障分野に拡大すれば、アメリカがさらに脅威を受けるとして、韓国に防衛費分担金の増額を求める可能性があるとの見方も出ています。
韓国大統領室は、「国際情勢が極めて複雑であるだけに、状況を注視している」として慎重な立場を示しました。