韓国各地で日本の弁護士を名乗る人物の爆発物や化学物質によるテロ予告があった事件をめぐって、警察は日本の警察庁に捜査協力のための捜査チームを派遣します。
日本人弁護士を名乗るテロ予告は、2023年8月からことし8月まで、実在する日本の弁護士、唐澤貴洋氏を名乗って、韓国国内の主要施設に爆発物を仕掛けたとする脅迫メールを送りつけてきたものです。
最近1か月だけで10件が発生しており、警察はこれまでに合わせて51件を捜査しています。
韓国の警察庁は、ソウル警察庁サイバー捜査隊長など5人で構成される捜査チームを10日から12日まで日本に派遣し、日本の警察庁と具体的な捜査協力の方策を協議する予定です。
警察は、脅迫メールやファックスが海外から送られたことを確認しており、発信者を追跡するため、インターポールに刑事司法協力の手続きを進めていると明らかにしました。
警察はこれまで「海外からの発信のため捜査権に限界がある」として消極的な対応をとったとの批判を受けてきました。
しかし、今月5日には、ソウルのデパートで爆発物を仕掛けたとする脅迫があり、市民が避難する事態となったことで事件は全国的な関心を集めました。
さらに先月末には、ソウル、仁川(インチョン)、釜山(プサン)の複数の中学・高校に同時多発的に脅迫のファックスが届き、生徒が避難し、警察が爆発物の捜索に乗り出すなど混乱が続きました。
いずれも虚偽の脅迫だったことが判明しましたが、警察力の浪費や社会的コストの増大につながりました。
警察は今回の捜査チーム派遣を機に国際的な協力を強化し、容疑者の早期検挙に捜査力を集中する方針です。