ソウル市で自殺や自傷行為を試みた児童・生徒の数が、この4年間でおよそ10倍に増えたことがわかりました。
ソウル市教育庁によりますと、去年の児童・生徒の自殺は、前の年に比べて2.1倍、2020年に比べて2.8倍にそれぞれ増えました。
また、自殺未遂や自傷行為をした児童・生徒数は、前の年に比べて2.1倍、2020年に比べて10倍にそれぞれ増えました。
これは、コロナ禍以降、青少年の精神的不安定さが高まった結果だと分析されています。
これを受けて、ソウル市教育庁は、児童・生徒の心の健康を守る総合対策をまとめ、迅速な対応体制の構築に乗り出しました。
柱となるのは、24時間体制の「ソウル児童・生徒統合コールセンター」の運営です。
危機の兆候が報告されると、48時間以内に初動介入することを原則とし、緊急時は、緊急対応チームが1時間以内に現場に出動します。
また、相談員の配置を小学校にも拡大し、毎年50人以上を新たに配置するほか、来年度からは、すべての学年で社会情緒教育を必修化します。
さらに、深刻な心理的危機にある児童・生徒を支援する代替教育機関の「心の癒し学校」を来年9月の完成を目指して設立します。
ソウル市教育庁のトップ、鄭根埴(チョン・グンシク)教育監は、「小さなサインも見逃さない。ソウル市教育庁が児童・生徒の心を守る盾となる」と強調しました。