韓国の半導体大手、SKハイニックスが、世界初となるDRAMチップの積層数を12層に増やした「HBM4」の量産体制の構築に成功しました。
SKハイニックスは、12日、第6世代のHBM=高帯域幅メモリ「HBM4」の開発を完了し、量産体制の構築に成功したことを発表しました。
ただ、現在、アメリカのエヌビディアなど、顧客会社による品質テストを行っていて、テストに通過した後、本格的な量産と供給を開始する計画です。
今回、量産に成功した「HBM4」は、AI=人工知能用の高性能メモリーの第5世代「HBM3E」より帯域幅を2倍拡大し、電力効率を40%以上引き上げています。
SKハイニックスは、顧客システムを適用すると、AIサービスの性能が最大69%向上し、データセンターの電力コストを大幅に削減することができるとしています。
また、SKハイニックスの半導体チップを積み上げた後、チップとチップの間の回路を保護するため、隙間に液状の保護剤を注入し、固める自社独自の「AdvancedMR-MUF」工程と10ナノメートル級の第5世代DRAM技術を導入することで、量産によるリスクを最小限に抑えたと説明しました。
SKハイニックスは、「HBM4」の量産について、「AI品インフラの限界を超える転換点になる」と強調しました。
業界では、量産体制の構築により、SKハイニックスが次世代HBM市場をめぐる競争で一歩リードすることができたと評価しています。
一方、サムスン電子も、「HBM4」の開発を終え、顧客会社にサンプルを出荷していて、アメリカのマイクロンも開発に拍車をかけています。
「HBM4」は、今後、エヌビディアの次世代AI半導体「ルービン(Rubin)」に搭載される可能性が高く、来年のサービス開始とともに世界のAIサーバー市場にも影響するものとみられます。