韓国の1人当たりのGDP=国内総生産は、22年ぶりに台湾に追い抜かれる可能性があるとの見通しが出ています。
韓国政府と台湾統計庁によりますと、ことしの韓国の1人当たりのGDPは3万7430ドル、台湾は3万8066ドルと予想されています。これは、韓国政府の名目GDP成長率の見通しと、台湾統計庁の1人当たりのGDPの予測を単純に比較したものです。
韓国の1人当たりGDPは、2003年に初めて台湾を上回りました。ことし台湾に追い抜かれれば、22年ぶりに順位が逆転することになります。
背景には成長率の差があります。台湾はことし、半導体輸出が好調な追い風となって、第2四半期の実質GDPの成長率が8%を上回りました。台湾のことしの成長率の見通しは4.45%、来年も2.8%の成長が見込まれています。
一方、韓国の第2四半期の成長率は0.6%にとどまり、ことしは0.9%、来年は1.8%の見通しにそれぞれとどまっています。ウォン安も重なり、回復が遅れているとの指摘が出ています。
ただ、全体の経済規模では、韓国が依然として台湾より大きい状況です。
IMF=国際通貨基金は、ことしの名目GDPの見通しについて、韓国は1兆7900億ドルで世界13位、台湾は9000億ドルで20位台にとどまるとしています。
韓国と台湾は、いずれも輸出と半導体に依存する、よく似た経済構造と所得水準を持つアジアの中堅国であることから、経済指標が出るたびに比較対象となっています。