アメリカのトランプ大統領は、2期目の就任後、初めて行った国連総会の演説で、北韓問題に一切触れなかったことが注目されています。
トランプ大統領は現地時間の23日、5年ぶりに国連総会での演説に臨みましたが、1時間に及ぶ演説のなかで北韓について言及することはありませんでした。
イランの核問題についてのみ、「世界最大のテロ支援国が、最も危険な兵器である核兵器を持つことは決して許されない」と述べました。
トランプ大統領は、1期目の2017年から2020年までに行った、4回の国連総会演説のうち、3回にわたり北韓について大きく取り上げたため、今回の対応は異例だとの見方が出ています。
一部では、米朝対話の再開が取り沙汰される中で、慎重な姿勢を示したのではないかとも分析されています。
2期目就任以降、北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との会談を望む意向を示してきたトランプ大統領は、先月25日に行った李在明(イ・ジェミョン)大統領との韓米首脳会談でも「金正恩と私は非常に良い関係にある」と述べ、年内に金委員長に会いたいと明らかにしました。
金委員長も21日、国会に当たる最高人民会議で、アメリカが北韓の非核化を放棄すれば対話に応じるとの考えを示し、「個人的にはトランプ氏に対して良い思い出を持っている」と発言しました。
このため米朝対話が再開されるのではないかという見方が強まっています。
一方、トランプ大統領は、今回の演説で自身の経済実績を強調するなかで、「イギリス、ヨーロッパ連合、日本、韓国などと歴史的な通商合意を導き出した」として、韓国との通商交渉を成功例のひとつとして挙げました。