戦時中に日本で獄死した、韓国の国民的詩人、尹東柱(ユン・ドンジュ)の記念碑が東京に建てられます。
東京都豊島区池袋にある立教大学が25日、発表したところによりますと、来月11日午後に記念碑の除幕式を行う予定だということです。
尹東柱は、現在の延世大学の前身、延禧(ヨンヒ)専門学校を卒業後、日本に留学し、最初に立教大学英文学科に進学しました。
立教大学に通っていたころの1942年4月から6月までの間に、「白い影」、「流れる街」、「たやすく書かれた詩」など、5編の詩を残し、これらの詩は、友人のカン・チョジュンに宛てた手紙を通じて世に知られることとなりました。
記念碑は、横長の長方形で、中央には尹東柱の写真が、左右には略歴と説明、そして「たやすく書かれた詩」のハングル原文と日本語訳が刻まれます。
また、QRコードも追加され、スマートフォンで尹東柱の人生や作品解説を読むことができます。
尹東柱の記念碑が東京に建てられるのは今回が初めてのことで、これまでは京都の同志社大学や下宿跡地、宇治川沿いなど、京都を中心に記念碑や詩碑が設置されていました。
尹東柱については、日本の作家、茨木のり子が自身の随筆のなかで尹東柱の詩を引用したことがあり、それが教科書に掲載されたことから、日本国内でも広く知られるようになりました。
これに先立ち、ことし2月には、同志社大学が、没後80年を記念し、尹東柱に名誉博士号を授与しました。
この大学が設立された1875年以来、故人に名誉博士号が授与されたのはこれが初めてのことです。