韓国とアメリカの間で進められている3500億ドル規模の対米投資をめぐる協議で、韓国政府は、無制限の韓米通貨スワップの締結を交渉の必須条件として提示しました。
大統領室の金容範(キム・ヨンボム)政策室長はニューヨークでの記者会見で、「無制限の通貨スワップは、数学用語で表すと『必要条件』だ。これが満たされなければ衝撃が大きすぎて交渉を進められない」と強調しました。
また、「通貨スワップが締結されたとしても、アメリカが求める現金投資方式で3500億ドルを投資するわけではない」という認識も明らかにしました。
投資方式をめぐっては、韓国側は「大半を貸付や保証の形で行う」と認識しているのに対して、アメリカ側は、現金を投入して株式を取得する投資方式を主張していて、両国の認識に隔たりが生じています。
金室長は、「現金投資となれば、外国為替市場への負担が大きくなる。貸付なのか、保証なのか、直接投資なのか、区分を明確化する文言を協議中だ」と説明しました。
また、利益の分配についても、韓国政府は、「収益が発生するまでは9対1で分ける」という国益中心の案をアメリカ側に提示したということです。
金室長は、「商業的合理性に合致し、韓国が耐えうる範囲で国益にかなう相互互恵の結果を導き出すべきだ。交渉期限のために原則を曲げることはない」と強調しました。
来月末に慶州(キョンジュ)で開かれるAPEC首脳会議に合わせて韓米首脳会談が行われる予定となっていますが、政府はその前に、目に見える形で進展を導きたい考えです。