アメリカとの関税措置をめぐる交渉で韓国が約束した3500億ドルの対米投資について、韓国の魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は、アメリカのトランプ大統領が要求した通り、「現金で投資するのは不可能だ」と明らかにしました。
魏室長は27日、韓国の放送局、チャンネルAの番組で「交渉戦術としてではなく、客観的に対応できる水準ではない」としたうえで、「与野党を問わず受け入れがたい条件であるため、代替案を設けて協議を進めている」と付け加えました。
また、「一つの目標として考えているのは、次回の首脳会談だ」と述べ、来月慶州(キョンジュ)で開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議首脳会議を機に合意を導き出したいとの意向を説明しました。
なお、李在明(イ・ジェミョン)大統領がニューヨークでアメリカのベッセント財務長官と会談し、関税交渉に関する協議を行ったことについては、「具体的な進展はなかった」とする一方で、「わが国の立場を明確に伝えたため、今後の交渉に役立つだろう」と評価しました。
韓国は7月30日に妥結したアメリカとの関税交渉で、韓国への相互関税を25%から15%に引き下げる代わりに、3500億ドル規模の対米投資を行うことで合意しています。
ただ、投資の方式をめぐって双方の隔たりは大きく、トランプ大統領が急きょ、3500億ドルの現金投資を求めるなど圧力を強めたことで韓国側が難色を示し、協議が難航しています。