韓国政府の電算システムを管理する国家情報資源管理院で26日に発生した火災をめぐり、行政のオンラインサービスや一部の窓口業務が停止してから5日目となる30日も、復旧作業が続いています。
中央災害安全対策本部によりますと、30日午前10時の時点で、火災によって停止した行政サービス647のうち87が復旧していて、復旧率は13%台にとどまっています。
このうち利用者の需要が多く中核システムに分類されるサービスは、合わせて36のうち20が正常化していて、これまでに過半数が復旧したことになります。
韓国の旧盆、秋夕(チュソク)の連休を前に利用が急増するインターネット郵便局や郵便・物流、福祉関連のポータルサイトなどの主要サービスは再開されました。
一方、火災でサーバーが全焼した96のシステムは現場での復旧が不可能で、データを官民協力型のクラウドに移転・設置する必要があるため、復旧には少なくとも4週間以上かかる見通しです。
国家情報資源管理院は、住民登録、税金、福祉など、政府の主要な電子行政システムを管理する機関で、火災による電算システムのまひは、国民生活全般に大きな支障をきたしています。
政府は、オフラインの窓口や代替サイトなどを通じて国民の不便を最小限に抑える一方、今回の火災を利用して金融情報をだまし取る「フィッシング詐欺」などの犯罪について、注意を呼びかけました。
一方、李在明(イ・ジェミョン)大統領は30日の閣議で、「システムが正常に作動していると思い込んでしまう傾向があるが、実際にはそうでない場合が多い」と述べ、各省庁に対し傘下機関のすべての施設とシステムを点検し、来週の閣議までに書面で報告するよう指示しました。点検結果を基に、今後の措置を検討するということです。