韓国とアメリカの両政府は、通貨の価値を競争的に操作しないことで合意し、為替政策の透明性と信頼を一層強化していく方針を明らかにしました。
韓国の企画財政部とアメリカの財務省は1日、為替政策に関する合意文を発表しました。
そのなかで、国際収支の調整を妨げたり輸出競争力を高めるために自国通貨を人為的に操作しないという原則を改めて確認しました。
今回の合意は、アメリカが韓国を為替観察対象国に指定し、長年指摘してきた「為替操作」への懸念を払拭し、韓国企業による安定的な対米投資を支える措置とみられています。
韓国側は、ウォンの価値を意図的に引き下げて輸出を増やすような介入は行わないことを確認し、両国は、為替市場への介入は、相場が過度に変動した場合に限って限定的に実施されるべきだということで一致しました。
また、国民年金など、公的投資機関による海外投資は、資産の多様化やリスク管理を目的とする場合に限るということでも合意しました。
さらに、透明性を高めるため、韓国はアメリカの財務省に対して為替市場安定化措置の内容を毎月共有し、外貨準備高の通貨別の構成も公開することになりました。
企画財政部は、「今回の合意は、新しい措置というより、これまでの慣行を制度的に確認したものだ。韓米両国の財務当局間で信頼と意思疎通を強化する意義がある」と説明しています。