ソウル中央地方裁判所は2日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が申し立てた保釈申請を「証拠隠滅の恐れがある」として認めませんでした。これにより、尹前大統領は引き続き拘束されたまま裁判に臨むことになります。
尹前大統領は先月19日、健康悪化を理由に「拘束されないで裁判を受けたい」と保釈を申請していましたが、裁判所は申請を退けました。「保釈」とは、保証金の納付など一定の条件を課すことで、拘束中の被告を一時的に釈放する制度で、証拠を隠滅する恐れがある場合は認められないと法律で定められています。
尹前大統領は去年12月、「非常戒厳」を宣言し、国会と市民の抵抗を武力で制圧しようとしたとして、内乱首謀などの罪で今年1月に起訴されました。3月に一度は釈放されましたが、7月に特別検察官チームの請求により再び身柄を拘束されています。
その後も、戒厳令を正当化する虚偽の発表や、暗号化された専用電話の記録削除などによる証拠隠滅行為が問題視され、追加で起訴されています。