韓国軍が今月予定していた大規模な屋外機動訓練は、APEC=アジア太平洋経済協力会議首脳会議の開催を踏まえ、来月に延期されることになりました。
韓国軍の合同参謀本部は2日、今月20日から5日間行う予定だった大規模な屋外機動訓練「護国訓練」を、来月17日から21日までに延期すると発表しました。
合同参謀本部は、「10月末に慶州(キョンジュ)で開かれるAPEC首脳会議の円滑な開催に向け、軍の警戒態勢を維持するためだ」と説明しています。
APEC首脳会議にはアメリカをはじめ、中国、日本などアジア太平洋地域の首脳や経済人が出席する予定ですが、会議の開催期間中に想定されるさまざまな脅威に対応するため、韓国軍は軍の人員を警護や警備に集中させる方針とみられます。
「護国訓練」は陸海空軍が毎年行う韓国軍の大規模屋外機動訓練で、通常、在韓米軍も参加し、韓米合同の作戦能力の向上と、対応体制の点検を目的としています。
今回の延期については、北韓との緊張緩和や信頼醸成を重視する李在明(イ・ジェミョン)政権の対北韓政策が影響しているとの見方も出ています。
ことし8月、韓国軍とアメリカ軍による、韓半島の有事を想定した大規模な合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド」が行われた際にも、予定されていた屋外訓練のおよそ半分が9月に延期され、北韓の反発を意識した措置との分析が出ていました。