韓国政府は、韓米関税協議の最大の争点となっている3500億ドル規模の対米投資ファンドについて、アメリカ側に修正案を提示したことを明らかにしました。この修正案は今月末に慶州(キョンジュ)で開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議と韓米首脳会談を前にして、こう着状態にある協議に打開策を見いだしたいという狙いがあります。
韓米は7月30日の関税交渉で、アメリカが韓国に課す相互関税を25%から15%に引き下げ、韓国が総額3500億ドルに上る対米投資を行うことで合意していますが、対米投資ファンドへの投資方式をめぐり、詳細な調整が今も続いています。
大統領室の金容範(キム・ヨンボム)政策室長は2日、国内メディアとのインタビューで、「国内最高の法律専門家らとともに修正案を作成し、アメリカに送った。現在、回答を待っているところ」と述べました。
修正案は、先月11日から13日にかけてアメリカを訪れた金正官(キム・ジョングァン)産業通商資源部長官によって、アメリカのラトニク商務長官に渡されました。
今回の協議では、韓国が投資ファンドを通じてアメリカに巨額の資金を投じる際、直接投資をどの程度認めるかが協議の最大の焦点となっています。投資方式をめぐって、韓国側は「大半を貸付や保証の形で行い、直接投資の割合は5%前後」と認識しているのに対して、アメリカ側は、現金を投入して株式を取得する投資方式を主張していて、両国の認識に隔たりが生じています。
金室長はインタビューで、修正案の詳細は明らかにしませんでしたが、「結局、ハッピーエンドになる」と自信を示していて、今後の協議の行方に注目が集まっています。
これに先立ち、国連総会に出席するため、ニューヨークを訪れていた李在明(イ・ジェミョン)大統領も、現地時間の先月24日、アメリカのベッセント財務長官と会談し、3500億ドル規模の直接投資が外国為替市場に与える影響への懸念を伝えています。ベッセント長官は李大統領との会談の内容をトランプ大統領に報告すると話したということです。