北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が、平壌(ピョンヤン)で開かれた兵器展示会で新型兵器を公開しながら、韓国を名指しして威嚇しました。
北韓国営の朝鮮中央通信が5日に伝えたところによりますと、最新兵器の展示会「国防発展2025」が4日に開幕し、新型の兵器が相次いで披露されました。
公開された写真には、「火星11マ」と表記された新型の短距離弾道ミサイルが映っていて、韓米の防空網を突破できる極超音速弾頭ミサイルと分析されています。また、アメリカ本土を射程に収めるICBM=大陸間弾道ミサイルの「火星18」や「火星19」、そして、新型とみられる潜水艦発射弾道ミサイルも展示されました。
金委員長は、これらの新型兵器について「軍事の現代化と高度化の成果だ」と強調しました。また、「韓国駐留アメリカ軍の武力増強に対応し、北韓の特殊兵器を主要な標的に割り当てた。韓国の領土が安全になり得るかどうかは、彼ら自身が判断することだ」と威嚇しました。在韓米軍基地など主要施設も攻撃対象に含まれる可能性を示唆する発言と受け止められています。
最近、金委員長とトランプ大統領が対話する可能性が取りざたされている中、今回の発言は、対米交渉力を高め、核保有国としての立場を固めようとする戦略とみられます。
これに関連して韓国大統領室は5日、報道資料を通じて「北韓は韓半島のみならず国際社会の平和と安定のため、対話と協力の道に加わるべきだ」との立場を示しました。