アメリカに続き、EU=ヨーロッパ連合も鉄鋼に対する関税を50%に引き上げる方針を明らかにしました。EUは韓国の鉄鋼産業の主な輸出先の一つであるため、産業界への影響が少なくないとの懸念が出ています。
EUの執行機関である欧州委員会は現地時間の7日、新たな規制案を発表しました。
それによりますと、EUの鉄鋼産業と雇用の保護を名目に、鉄鋼を無関税で輸入できる枠を大幅に縮小し、アメリカと同水準の50%に引き上げるということです。
今回の規制案は、これまで実施されてきたEUの鉄鋼の緊急輸入制限措置、セーフガードに置き換わるものです。
従来のセーフガードは、EUが2018年に第1次トランプ政権による鉄鋼関税に対抗して導入した制度で、国別に無関税となっている輸入枠を超えた分に対しては25%の関税を課していました。
WTO=世界貿易機関の規定により、EUはこのセーフガードを来年6月までに終了しなければなりませんが、欧州委員会はさらに強力な保護貿易措置を打ち出した形です。
EUが主な輸出市場である韓国の鉄鋼産業が直接的な打撃を受けるとの懸念が高まっています。
去年の韓国のEUに対する鉄鋼の輸出額は44億8000万ドルで、アメリカに対する輸出額よりもおよそ1億3000ドル多くなっています。
欧州委員会は、国別の輸入枠の調整や個別交渉の可能性を残しています。
この新しい規制が施行されるためには欧州議会と加盟27か国の理事会での立法手続きを経る必要があるため、韓国は輸入枠交渉の戦略を立てるとともに、韓国の鉄鋼産業を守るための対策を早急に整えるべきだとの声が上がっています。