冬の時期、韓国のPM2.5=微小粒子状物質の半分以上は、中国から飛来ていることがわかりました。
国立環境科学院が9日、発表した報告書「大気質国際共同調査研究」によりますと、韓国国内のPM2.5の55%は、中国で発生したものだったということです。
全体に占める中国由来のPM2.5は、期間によって36%から71%の間で推移し、平均で55%に上りました。
なかでも、PM2.5の濃度が高くなる3月初めには、中国由来のPM2.5が70%を超え、濃度が低いときでも60%前後となっていました。
調査期間中に韓国の大気汚染にもっとも大きな影響を与えた地域は、中国の北京や天津などの華北・華中地方でした。
これに対して、韓国国内での発生分は29%でした。
国内の工場から出る煤煙や自動車の排気ガスなど、人為的に排出されたPM2.5は、最低で16%、最大で43%の範囲で、平均は29%でした。
一方、去年のPM2.5の年間平均濃度は、韓国は2016年に比べておよそ40%減少して1立方メートルあたり15.6マイクログラム、中国も同じ期間に36%減少して30マイクログラムと、いずれも減少していました。
今回の調査は、去年2月から3月にかけて国立環境科学院とNASA=アメリカ航空宇宙局など、韓国と海外の専門家が共同で行った「アジア大気質共同調査(ASIA-AQ)」の結果をもとに分析されました。
研究チームは、大気の化学反応や風などによる移動を考慮し、大気中の様々な物質の分布とその時間変化を大型計算機を用いて計算する数値モデルを用いてPM2.5の発生源を追跡しました。