IMF=国際通貨基金は、韓国のことしの経済成長率の見通しを0.9%に上方修正しました。
IMFは14日発表した最新の世界経済見通しで、ことしの韓国の経済成長率をことし7月の予測から0.1ポイント引き上げて0.9%に上方修正しました。
来年は1.8%に据え置きました。
ことしの世界全体の成長率の見通しは、0.2ポイント引き上げて3.2%に上方修正しました。
アメリカのトランプ大統領による関税政策が予想していたほど大きな衝撃を与えなかったと判断したためです。
IMFは、「一部の通商合意や例外措置により関税の影響が緩和され、多くの国が報復関税を控えたことで、貿易体制の開放性が維持された」と説明しました。
また、企業が関税引き上げ前に輸出を調整し、サプライチェーンを再編したこと、中国やドイツの拡張的財政政策、ドル安傾向なども下支え要因として挙げました。
国別の成長率の見通しは、アメリカが2.0%、日本が1.1%にそれぞれ引き上げられ、中国は4.8%に据え置かれました。
一方で、IMFは、アメリカの雇用鈍化や基調的なインフレ率の上昇、米中対立の再燃、AI=人工知能への投資ブームによる「バブル」のリスクを主な懸念要因として指摘しました。
IMFのチーフエコノミストのグランシャ氏は、「貿易措置をめぐる緊張が再び高まれば、世界経済の生産が最大で0.3ポイント低下する可能性がある」と警告しました