カンボジアで摘発されたオンライン詐欺組織の拠点から、現地で拘束されていた韓国人2人が、17日朝、仁川国際空港に到着し、韓国に送還されました。
警察によりますと、2人は到着後すぐに警察署に身柄を移され、取り調べを受けています。
カンボジアでは最近、「高収入のアルバイト」などと偽って韓国人や中国人を現地に呼び寄せ、オンライン投資詐欺やフィッシング詐欺に関与させる組織的な犯罪グループが摘発されました。
この取り締まりで韓国人63人が拘束されていて、ほとんどは詐欺や人身売買の容疑ですでに立件されているということです。
これまでに4人が帰国し、現地にはまだ59人が残っています。韓国警察はカンボジア当局と連携し、残る人員の速やかな送還に向けて調整を続けています。
韓国政府はチャーター機の投入も検討しており、早ければ今週末から本格的な送還が始まる見通しです。
一方、カンボジアのフン・マネット首相は、現地で韓国人が死亡した事件について遺憾の意を表明し、韓国人の保護と詐欺の根絶に取り組む姿勢を示しました。
また、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、国内でもカンボジアへの渡航を促す虚偽の求人広告が出回っているとして、放送通信審議委員会に対し、緊急審議や掲示物の削除など、対策の強化を指示しました。
さらに、仁川国際空港では、カンボジアへの出国を試みる不審な渡航者の摘発も相次いでいます。
16日夜には、20代の男性が出国目的を明確に説明できず、警察が出国を制止しました。
この男性は、警察の質問に「なぜ止めるのか」とだけ答え、沈黙を続けたということです。その後、通信アプリ「テレグラム」の口座売買グループに「出国に失敗した」との投稿があり、警察は関連を調べています。
前日にも30代の男性が同じくカンボジア行きの便に搭乗しようとして制止されており、警察は渡航目的や背後組織との関係を慎重に捜査しています。