カンボジアで特殊詐欺などの犯罪に加担したとして韓国に送還された容疑者64人のうち、58人について検察が逮捕状を請求しました。
これらの64人は、カンボジア当局に拘束されていたもので、今月18日、チャーター機で韓国に一括送還されました。
警察は週末を通じて集中的に取り調べを行い、その結果をもとに、検察が58人について裁判所に逮捕状を請求したということです。残る6人のうち、5人は釈放され、すでに逮捕状が出ていた1人はすぐに逮捕されました。
容疑者の大半は20日、裁判所で逮捕状の発付可否を判断する審査を受ける予定で、早ければ20日夜にも結果が出る見通しです。
警察は、ことし7月から9月にかけて、カンボジア当局から現地の特殊詐欺拠点の取り締まりを行ったとして、韓国人容疑者の名簿を受け取っていました。
今回送還された64人のうち59人は摘発現場で逮捕され、5人は自ら通報して救出されましたが、その後の捜査で詐欺への関与が確認され、一緒に送還されたということです。
一部の容疑者は、現地の犯罪組織から監禁や暴行を受けていたと証言しており、警察は単なる加担者ではなく、被害者の側面もあるとみて調べを進めています。
これらの容疑者らは、犯罪組織に拉致された被害者である一方で、韓国人を狙った特殊詐欺に加わった加害者でもあるという、複雑な状況にあります。
警察は今後、個々の犯罪行為のほか、出入国の経緯や犯罪組織の構造、あっせんネットワークなど、全体の実態を徹底的に捜査する方針です。
また、韓国とカンボジアの警察当局は20日午後、ソウルで会談を開き、韓国人の被害を防ぐため、カンボジア国内に「コリアン・デスク」を設置する案などについて協議する予定です。