知人をカンボジアの特殊詐欺組織に引き渡し、20日間以上監禁させたとして起訴された20代の男に対し、ソウル中央地方裁判所は懲役10年の実刑判決を言い渡しました。
この男と共犯の3人は、被害者が詐欺へ加わることを拒否したことに腹を立て、「カンボジアの観光事業契約書を取ってくれば借金を帳消しにする」とだまして出国させ、現地の特殊詐欺組織に引き渡したことが明らかになりました。
カンボジアの組織のメンバーらは、被害者を監禁したうえで、被害者名義の口座を詐欺に利用し、家族に金銭を要求し、脅迫していたということです。
ソウル中央地方裁判所は、国外移送目的での誘引や監禁などの罪で起訴された20代の男に対して懲役10年を言い渡しました。
検察が求刑した懲役9年よりも重い刑が言い渡されるという異例の判断となりました。
共犯の2人に対しては、懲役5年と懲役3年6か月がそれぞれ宣告されました。
裁判所は、「男は、共犯者らに指示して、知人だった被害者をカンボジアに移送し、監禁したにもかかわらず、反省の態度を見せていない」と指摘しました。
この被害者は、監禁からおよそ20日後、カンボジア駐在韓国大使館の支援を受けて無事救出されました。