ロシア政府が韓国との直行便の再開について協議を進めていることが分かりました。
ロシア外務省のルデンコ次官は現地時間の27日、ロシアの日刊紙のインタビューに応じ、「両国の航空会社が継続的に接触を続けていて、近く結果が出ることを期待している」と述べました。
韓国とロシアを結ぶ直行便は、2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻を受けて、3年半にわたり運休が続いています。以前は、仁川(インチョン)や釜山(プサン)とモスクワ、サンクトペテルブルク、ウラジオストクを結ぶ路線が運航されていました。
今回の発言は、最近、両国の外交当局の接触が活発になっている中で注目を集めています。
先月、ニューヨークで開かれた国連総会に出席した韓国の趙賢(チョ・ヒョン)外交部長官は、ロシアのラブロフ外相と会談し、「ロシア国内で韓国企業が円滑に企業活動できる環境を整えてほしい」と要請しました。
ロシアのメディアは、直行便再開をめぐる協議がマレーシアで開かれたASEAN=東南アジア諸国連合の首脳会議や、韓国・慶州(キョンジュ)で予定されているAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議で取り上げられる可能性があると伝えています。
ただ、ルデンコ次官は、「APECは二国間の問題を話し合う場ではなく、地域経済での協力を議論する場だ」と述べました。
そのうえで、「直行便の再開は、韓国がロシアへの制裁方針を変えないかぎり、実現は難しい」との見方を示しました。
現在、韓国は対ロシア制裁に参加している国の中では、比較的「友好的な立場」とみられています。ただ、アメリカの対ロシア経済政策の方向性が固まるまでは、制裁の緩和に踏み切るのは難しいという見方も出ています。