アメリカのトランプ大統領が、李在明(イ・ジェミョン)大統領との首脳会談直後に、韓国の原子力潜水艦の建造を承認すると表明したことについて、海外メディアは、韓国の長年の念願が実現する一方で、中国の反発を招く可能性があると分析しました。
李大統領は29日、慶州(キョンジュ)で開かれた韓米首脳会談で「ディーゼル潜水艦は潜航能力が劣り、北韓や中国の潜水艦を追跡するには限界がある。アメリカ軍の負担を軽減するためにも、韓国の原子力潜水艦の保有が必要だ」と強調しました。
これを受けてトランプ大統領は30日、自身のSNSで「韓国が原子力潜水艦を建造できるよう承認した」と明らかにしました。
日本の毎日新聞は、「北韓の核による脅威が高度化するなかで、原子力潜水艦の保有によって国民の安心感を高めようとする狙いがある」と分析しました。
産経新聞は、「原子力潜水艦の開発は保守系・革新系政権を問わず韓国の長年の課題だったが、アメリカの反対やウランの供給問題で挫折してきた。李在明政権はアメリカ軍の負担軽減を掲げて悲願を果たした」と評価しました。
ただ、産経新聞は、「韓国が原子力潜水艦を保有すれば、中国が強く反発する可能性がある」と指摘しました。
すでに、オーストラリアがアメリカと協力して原子力潜水艦の導入を進めている状況で、韓国まで加われば、中国の警戒心が一層強まるという見方です。
大統領室は、「北韓や中国の潜水艦を追跡するには限界がある」という言及について、「特定の国の潜水艦を指したものではない」と釈明しましたが、海外メディアは「韓国が韓米同盟の近代化を名分に原子力潜水艦の導入を進めることで、中国の反発を招くおそれがある」と伝えています。
一方、日本でも高市内閣が原子力潜水艦の導入を検討していて、与党・自民党と野党・日本維新の会が、次世代動力を活用した潜水艦の保有を推進することで合意したと報じられています。
海外メディアは、「韓国と日本の双方が原子力潜水艦を保有することになれば、中国の反発はいっそう激しくなるだろう」という見通しを示しました。