APEC=アジア太平洋経済協力会議の外相・通商相会議が、韓国・慶州(キョンジュ)で30日に開幕しました。
世界経済の減速懸念が高まる中、保護主義の動きを抑え、自由で開かれた貿易の重要性を改めて確認できるかが焦点となっています。
APECは、日本やアメリカ、中国など、太平洋を囲む21の国と地域が参加する経済協力の枠組みです。
今回の会議では、持続可能で包摂的な経済の実現を目指し、貿易や投資、デジタル技術を活用した協力体制の構築が主要議題として取り上げられました。
韓国の趙賢(チョ・ヒョン)外交部長官は開会のあいさつで、「経済的不確実性や地政学的緊張の中でも、アジア太平洋は世界成長のエンジンだ」と述べ、「開かれた未来志向の共同体というAPECの理念を再確認しよう」と呼びかけました。
また、呂漢求(ヨ・ハング)通商交渉本部長は、「グローバル経済秩序が揺らぐ今こそ、WTO=世界貿易機関を中心とした多国間貿易体制を補完する、開放的で協力的な枠組みが必要だ」と強調しました。
会議では、サプライチェーンの強化やデジタル分野での連携、環境に配慮した成長戦略なども議論され、31日の首脳会議で採択される「慶州宣言」とは別に、APECの年間成果をまとめた共同声明の取りまとめを目指しています。