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経済

APEC首脳会議 貿易とAI協力を強調 一方で米中対立の調整に苦慮

Write: 2025-11-03 10:46:06Update: 2025-11-03 10:47:42

APEC首脳会議 貿易とAI協力を強調 一方で米中対立の調整に苦慮

Photo : YONHAP News

韓国の慶州(キョンジュ)で開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議は、1日に閉幕しました。今回の会議では、貿易・投資、そして人工知能(AI)分野での協力が中心議題となり、具体的な経済成果が相次ぎました。
 
最も注目を集めたのは、韓米間の関税交渉が劇的に妥結したことです。2回目の首脳会談に臨んだ李在明(イ・ジェミョン)大統領とトランプ大統領は、最終局面での意見の隔たりを解消し、合意に達しました。
 
また、最大の貿易相手国である中国とは、FTA=自由貿易協定の第2段階交渉を加速させること、さらに総額560億ドル規模のウォンと人民元の通貨スワップを5年ぶりに再開することで一致しました。
 
一方、AIをめぐる議論も焦点となりました。

加盟国はAIの革新を通じて共通の繁栄を目指し、技術格差の縮小を図る「みんなのAI」理念を掲げた「AIイニシアチブ」に初めて合意しました。
 
これは、APECとして初めて採択された人工知能に関する共同宣言で、技術の恩恵をすべての国が共有することを目的としています。
 
最終的に採択された「慶州宣言」では、自由貿易とイノベーションによる持続可能な成長、デジタル転換、サプライチェーンの安定、そして気候変動への対応強化を掲げました。
 
しかし、保護貿易を主張するアメリカと、自由貿易体制の回復を求める中国の対立が影を落とし、調整は難航しました。
 
その結果、これまで共同宣言に盛り込まれてきた「WTO=世界貿易機関に基づく多国間貿易体制」という文言は入りませんでした。代わりに、外相・通商担当大臣会合の声明の中でのみ「WTOの重要性を認める」との表現が盛り込まれました。
 
また、「自由貿易」や「多国間主義」といった表現は避けつつも、「強固な貿易と投資がアジア太平洋地域の成長に不可欠であり、経済協力を深めていく」とする合意内容が明記されました。
 
李在明大統領は、「最大の争点は『貿易と投資の章を設けるかどうか』だった」と述べ、「不確実な国際経済の中で、APECが協力の方向性を示したことに大きな意味がある」と評価しました。

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